ロングアイアン調整
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ロングアイアンの上がらない・スライスするに効果あり!

広島市安佐北区のゴルフスタジオ スルーザグリーンです。

今回は、ここ最近続けてご依頼いただいている、ロングアイアンを中心とした部分的な振り抵抗の調整をご紹介します。

「3番アイアンとは言わないが、せめて4番アイアンが打てたら。」

多くの方が思い当たる「ロングアイアン打てない問題」

#5i・#6iぐらいから、

  • 飛ばない
  • ダフる
  • 上がらない
  • つかまらない などなど。

近年のロフト角度のストロング化で、さらに深刻です。

 

万能とは言いませんが、「もっと早くに知りたかった。」と、この問題に効果が期待出来る調整があります。
簡単なロングアイアンを探したり、ユーティリティを検討する前に、一度お試しいただきたい!

リシャフト時やオーダーアイアンご注文時には、セットを通しての調整をご提案しております。


 そもそもロングアイアンはどう難しいか? 

ロングアイアン調整

ロングアイアン調整

「5番アイアンでも打てない」

「4番アイアン・5番アイアン、もしかしたら6番アイアンでも距離が変わらないかも?」
話によく出るロングアイアンの悩み。

大まかに分けると

  • 飛距離が出ない
  • 上がらない
  • つかまらない
  • 当たらない

この4つでしょうか?
「ロングアイアン四重苦」とでも言いましょうか。

一つだけ当てはまる方もいれば、複数や全部という方もおられるでしょう。
一言でいうならば「ショートアイアンのようには、なかなか上手くいかない」ということ。

ショートアイアンとロングアイアンとを比較して見てみます。


 ショートアイアンと同じところ 

多くのアイアンがスイングウェイト(バランス)が同じ。

#3Iも「D1」ならPwも「D1」

ここに大きな誤解があるのが、「スイングウェイトは振りやすさを揃えているものでは無い」という事。

スイングウェイト (バランス)は、あくまでグリップ側から見た、クラブ長の中の重心位置を示しています。

 

例えば:

  • 振りやすい軽い270gのクラブで「D1」のバランス。

対して、

  • ゴリラしか振れそうにない総重量5kgのクラブ。

これだけ重たくても、、

グリップ側から見たクラブ長の重心位置が同じなら、スイングウェイト(バランス)は同じ「D1」です。
スイングウェイトについての詳しい説明はまたいずれ。

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そして、シャフトの重量は#3I用もPw用も同じ重量になる設計が殆どです。
コンスタントウェイト設計と言います。

スイングウェイト(バランス)・シャフトの重量という点では、もちろん揃えてあるので揃っています。
でも、「ロングアイアンがショートアイアンのようには振れない」ということは感じていないでしょうか?

 

今回の話は下記のアイアンセットを前提としています。

  • 長さがロングアイアンの方が長い
  • シャフト重量・グリップ重量が同じ
  • ワンレングスアイアンはない

 

スイングウェイト(バランス)が同じアイアンは、スイングした際にプレイヤーに掛かる負荷量(振り抵抗値)が

  • ショートアイアン < ロングアイアン  負荷量が大きい!

次でお話する「ショートアイアンと違うところ」の内容と合わせて言えることは、
事実、ロングアイアンは振り難い。
なので、ショートアイアンと同じ速度で振るには、ショートアイアンよりも力が必要ということです。


 ショートアイアンと違うところ 

ロングアイアンは、ショートアイアンに比べると、
長くなるしロフトも立っているので、優しくなる要素はあまりありません。

最近のアイアンには、ショートアイアンからロングアイアンになるにつれて、
ネックの長さやキャビティ部分の大きさ・深さに変化を持たせたモデルが結構多くあります。

  • 「ミスヒットに強くする(飛距離を失わないため)」
  • 「重心を低くする(弾道を上げるため)」
  • 「重心を遠くする(飛距離を出すため)」

主にこれらを目的にしての設計になります。

 

ワンレングスアイアンなどの特殊なアイアンを除けば、ロングアイアンは長くなります。
そのため、ショートアイアンに比べて、ロングアイアンのヘッドの重さは軽くなります。

  • 「ミスヒットに強くする」
  • 「重心を低くする」

重量が軽くなるヘッドでこのように優しくしようとします。
すると、ロングアイアンの方がネックが短く、キャビティ部分を大きく深くする設計が必要になります。

これは、ショートアイアンよりもロングアイアンのヘッドの重心の位置を、シャフトから遠くすることになります。
ざっくり言うと、

  • 「ミスヒットに対して」
  • 「プレイヤーからの操作」

この両方に対して、フェースの開閉が鈍い(開閉に力が必要)設計です。
これらを踏まえて、先程のロングアイアン四重苦を見てみます。


 ロングアイアンは飛距離が出ない 

飛距離を出すには、まずはヘッドスピードが必要です。
「長さが長くなるので、ヘッドスピードが出るはず。」
はずなんですが、

ヘッドスピードが長さに比例して上がっていないことが多く発生しています。

 

  • 「ロングアイアンは力を込めて振るもの」
  • 「Pwは、少し力を抜いて振るもの」

これまでの経験でこんな感じで使われている方も多いのではないでしょうか?

アイアンの買い替えで選ぶ際に、試打の多い#7I(7番アイアン)。
アイアンセットの真ん中の番手ということで、ミドルアイアンの#7Iが試打に選ばれています。

振り切りやすさの限界値をこの#7Iで選ぶと、
ロングアイアンの方が振り抵抗値が大きい(同じスピードで振るには力が必要)。
そうすると、試打の#7Iと同じ出力では振り切ることが出来ません。

思ったスピードを得られていない可能性が十分にあります。

 

  • 「ロングアイアンは力を込めて振るもの」

「スイングのバランスを崩さない範囲で出力を上げれば、なんとかスピードを出せる」という考えも確かにあります。

練習場やコースでもティグラウンドなどの、平坦で踏ん張りの効くところでは何とか振れても、
ちょっとした傾斜地では振り切れず飛距離が出ないという状態に。

「アイアンセットは同じ出力で飛距離差を得たい」ですね。


 ロングアイアンは上がらない 

前項の飛距離の話にも出てきましたが、弾道の高さを出すには一定のヘッドスピードが必要です。
ロングアイアンはロフトは立っていますので、そもそもが上がり難いのは当たり前です。

単純に比較は出来ませんが、ドライバーの13度は大体の方が打って球が上がるでしょう。

ロングアイアンよりもロフトが少なくても、ドライバーの弾道が上がるのには、もちろんいくつか要因があります。

  • クラブが長く
  • ヘッド・シャフトともに軽い

これによってヘッドスピードが上がっていることは、大きい要因の一つと言えます。

 

一般的にヘッドスピードというと、ドライバーでのヘッドスピードしか聞くことがあまりありません。
平均的なヘッドスピードで#7Iのヘッドスピードに比べ、ドライバーのヘッドスピードが約7m/sほど早くなります。

  • ドライバーのヘッドスピード −約7m/s  = #7Iのヘッドスピード

負荷が大きく振り切るのにより力が必要なロングアイアンでは、十分なスピードが出ておらず、更に振り遅れてインパクトを迎えることにより、低い弾道になりやすい事は、容易に想像できます。

「ロングアイアンは同じ出力で、長さ分の早いヘッドスピードを得たい」ですね。


 ロングアイアンは、つかまらない 

前項まで読んでいただいた方は、もうお察しのように、振り遅れが発生しやすいためロングアイアンはつかまり難くなります。
もちろん、ロフトが立っていることにより、わずかなフェースの開きでスピンの軸が傾いてしまうので、尚更です。

振り遅れを解消するために、力を入れて振った結果

  • グリップを強く握りスピードダウン
  • 上半身に力みが生まれる
  • スイングのバランスが崩れてカット軌道になってしまう

という方も多く見受けられます。

 

軽くつかまりやすいシャフトに替える・つかまりやすいヘッドに替える。
有効だと思います。
ですが、これはユーティリティでは?

あくまでアイアンセットで解決出来れば、それに越したことは無いと考えています。


 ロングアイアンは当たらない 

ロングアイアンというぐらいですから、長さが長くなります。
そのため、ミートする率はなかなかミドルアイアンよりも高くとはいきません。

ただ、前項でも触れたように、
「力んでスイングのバランスが崩れてしまい、当たらない」ということが含まれていると思います。

苦手意識が付くと尚更当たらなくなり、難しくなります。


ロングアイアン四重苦を解消する調整。

四重苦の話が長くなりましたが、

ロングアイアン四重苦を解消するための調整は、
「プレイヤーに掛かる、ロングアイアンの負荷量(振り抵抗値)を、振れている#7Iに揃えてみよう。」です。

 

ロングアイアンが同じ力感で振り切れるようになると、「Pwあたりの振り切れすぎ」が浮き彫りになってきます。
そのため、オススメは同時にPwの負荷量(振り抵抗値)を上げる調整も合わせて行うことをおすすめしています。

ロングアイアンとPWを調整

ロングアイアンとPWを調整

ということで、今回は#4I~#6IとPwを調整しました。

※物理的な限界がございますので、状態により調整できる範囲は異なります。

ヘッド・ネック内の重量物・シャフト先端の樹脂などを取り除き、負荷量(振り抵抗値)を1本ずつ測定しながら合わせていきます。

今回はネック内に重量物は無かったものの、シャフトの先端に樹脂が埋め込まれていましたので、必要に応じて取り除きました。
長さにして4〜5cm。
ミズノさんの接着剤は濃い緑色ですので、これは接着剤ではなく重量物(ウェイト)として入れられているようです。

シャフト先端の重量物の除去

シャフト先端の重量物の除去

無事に#4I~#6IとPwが、#7I~#9Iの振り抵抗値の幅に収まりました。
調整前は「キャリーでの#4Iと#5Iの飛距離差が思ったように出ない」との事でした。

完成後打ちに行かれて、「飛距離差がしっかり出るようになった」感想をいただきました。


まとめます。

長々と書きましたように、通常ロングアイアンはショートアイアンに比べると、優しくなる要素はあまりありません。
むしろ同じように振るのに、ショートアイアンに比べて力が必要です。

ロングアイアンが振り難くなった・難しく感じる要因

  • 長くなるしロフトも立っている。
  • 物理的な負荷量も大きい

 

これが原因でロングアイアン四重苦に陥っているのであれば、

「振り抵抗値を振れるアイアンに揃えてみたら?」

これですね。

今回のように、部分的に振り抵抗値を揃える調整も行っています。

また、リシャフトやオーダーアイアンをご依頼の際に、ご希望があれば物理的な問題がない限りは承っております。

 

「もっと早く知りたかった。」との声をいただきましたので、今回記事にしてみました。

合わせて、以前の「ダイナミックゴールドが重たく感じたら・・・」コチラの記事で、リシャフトで解消する方法も書いておりますので、お時間のある方はご覧ください。

 

更に長いアイアンを優しくしたい方は、以前ご紹介したプロトコンセプトのように、長い番手だけ「飛距離が出やすく・上がりやすく・つかまりやすく・芯が広い」ヘッドにするコンボアイアンセットにする方法も有効です。

プロトコンセプトのコンボアイアンの紹介はこちらから→プロトコンセプトC05 + C07コンボアイアン
コチラも参考にしてみてください。

お悩みの解消、何かの参考になれば幸いです。


ゴルフパフォーマンス スタジオ
THROUGH THE GREEN(スルーザグリーン)
〒731-0201
広島市安佐北区大林3丁目14-22-1F

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