カムイTP-09D
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カムイTP-09Dでドライバーのライ角調整で打球位置をアジャスト

広島市安佐北区のゴルフスタジオ、スルーザグリーンです。
今日のレポートはカムイのドライバーTP-09D。
テーラーメイドでは、「TP」といえばTOUR PREFERRED(ツアープリファード)ですが、カムイで「TP」といえば、Typhoon Pro(タイフーン プロ)。
「飛ぶヘッド」の地位を確固たるものにした、前作TP-07ニトロゲン。
その後継機種として発売になったTP-09。
「つかまり過ぎないシャローヘッド」のTP-09Sと、「つかまる強弾道をカムイらしく、やさしく打てるディープ」のTP-09Dの2機種。
今回は、ややフェード気味な事などを考え、TP-09Dの10度をチョイス。

カムイTP-09DとワクチンコンポGR55

カムイTP-09DとワクチンコンポGR55

今回このTP-09Dは、先日のグランプリ ワンミニッツG57とバシレウス ザフィーロ2との組み合わせが好調なお客様より、「彼にも飛ぶクラブを作って欲しい」とのご紹介でフィッティングとなりました。
今回のお客様は当スタジオの運動タイプの分類ではType-D。
どんな組み合わせになっているかというと、

今回は、TP-09DとワクチンコンポGR55との組み合わせです。

ヘッドのセレクト理由はいくつかありますが、最も大きな理由はライ角です。
メーカーHPでは、ライ角は59.5度と表記されていますが、フェースがトゥ・ヒールで高さの異なる形状のため、かなりフラットなヘッドになります。
クラウンの形状も、トゥ側が上がって見えないようにデザインされているため、ヒール側で構えにくくなっています。
これにより、引っ掛けるイメージを大幅に軽減でき不安や恐怖心を取り除いてくれます。
このスペックがなぜ必要かというと

フラットなインパクトでヒールヒット

フラットなインパクトでヒールヒット

画像が荒いですが、アドレスでもヘッドのトゥが大きく浮き、ご自分ではフェースのセンターに合わせてアドレスしているつもりが、後方からチェックするとかなりヒールに合わせてアドレスされています。
そして、実際のインパクトでもヒール側の下にボールが集まり、初速が出ず・低打出し・やや多いスピンで打ち出されています。
弾道は、左に低く打ち出て左へ曲がっていきます。
これは、板状のフェースがボディーにフェース面の中で溶接で接合されているため、弾かない(初速が出ない)箇所でボールをとらえてしまっているからです。
もちろん全てがこうした引っ掛かった弾道ではなく、フェースセンターに打点が寄った場合は初速も上がり、フェード気味な弾道も出ています。
自信がある言われるアイアンを見てみると、ヘッドがかなりフラットな様子。
バッグの中のアイアン・FWもフラットにされているとの事。しかも、アイアンは4度のフラット。

カムイ TP-09について

大ヒットした前作のTP-07ニトロゲンは、ヘッド内部の発泡剤の効果で独特の打球感と打球音でしたが、TP-09は発泡剤の使用ではありません。
TP-07はフェース材にDAT55Gの板材が採用されていました。
TP-09は、フェースをカップフェースにしています。TP-09SとTP-09Dで素材を変えています。
TP-09Sは、SP700のカップフェースが採用されており、TP-09Dには、5-3-2-2Tiの鍛造カップフェースが採用されています。
弾き感が強いDAT55Gですが、打球感については硬く感じるという方もおられます。
前作のTP-07に採用されていた、DAT55Gという素材はカップフェースにしてドライバーに使用すると、反発するエリアは広く設計できるものの、その反発性能の高さから反発係数をルール内に収める事が非常に難しいようです。

フェースについてメーカーHPより抜粋
”5-3-2-2Tiを500tプレス機で何度も打ち鍛え、フェースを精密鍛造成型。
フェース面での溶接が無いカップフェースは打感がソフトに、打球音は落ち着いた乾いた音になり、エネルギー伝達効率が上がることで、フェース全域での反発性能を高め、スイートエリアを外れたインパクトで発生するヘッド自体の余分な振動と手に伝わる嫌なな振動を抑えることで緩むことなく最後まで振り切ることができ、飛距離のロスを最小限に抑えます。”
メーカーのコメントにもあるように、TP-09Dでは今回の様にフェースセンターから外れた位置でインパクトを迎えた場合、より高いボール初速が得られます。
板状のフェース構造では、フェースの面の中に反発の得られるエリアがあるのに対して、カップフェースでは反発が得られるフェースがクラウン・ソールにつながっている状態です。
これにより、反発の得られる範囲が広く、仮に今と同じ打点でボールをとらえた場合でも、高い初速を得ることができます。

フラットなヘッドをよりフラットに

フラットなヘッドをよりフラットに

もちろん、センターで構えやすくフェースセンターでボールをとらえられるようにすることは必須です。
よりフラットであるTP-09Dをさらに加工し必要な角度へ調整しました。
比較として、ややフラットなヘッド(手前)と今回のTP-09D(奥)をソールのセンターを設置させて比較してみました。
予定通り、よりフラットに調整することが出来ました。
今回のヘッドは、ソールのウェイトをヒール側:7.5g(黒) トゥ側:3.5g(赤)の195gで設定しました。
ソールのトゥ・ヒールの交換式のウェイトが用意されています。
ウェイトの種類は5種類です。

カラー
重量(g) 1.5 3.5 5 7.5 10

ウェイトなしのヘッド重量は、185gでした。
188g~205gまでヘッド重量を調整することが出来そうです。
ネック内のウェイトを許容しても問題なければ、重たい方は211gぐらいまで重くできそうです。
ウェイトだけの単体販売もありますので、クラブ完成後のスイング時に掛かる抵抗値も調整が可能です。
ロフトは10度(10.5度)FAは+0.5度
簡易測定で重心距離は39.5mm。第2重心高は22.5mm。
ネック内寸は35mm、今回の打ち込み量は33mmで行いました。
参考までに、TP-09SとTP-09Dとのフェース高の差は、5mmほど。

ワクチンコンポ GR55

シャフトはグラビティーのワクチンコンポGR55。
決して新しいシャフトではありませんが、他に替えの利かないシャフトです。
シャフトのグリップ側にメタルメッシュが入っており、しっかり感とバランスポイントを作り出しています。
スイングウェイトが、一般的なシャフトに比べ約1ポイント小さくなります。
振った感じは、総重量やシャフト重量からはイメージできない重量感を得ることができます。
「軽いものを重たく振る」このイメージがスイングスピードをUPさせてくれるシャフトです。
剛性は、手元と先が硬く、中央が柔らかい設計となっています。

グリップ ゴルフプライド G400VDラバー

グリップもフィッティングに把握した握り方に合わせ、テーパーを活かしたまま太目に調整。
ヘッドの重さをあまり重く感じず、手元に重さを持たせることで、スムーズにスイングできます。
ロフトはやや大きめが好相性

カムイTP-09D+ワクチンコンポGR55/S完成スペック

長さ(インチ)

総重量(g) 振動数(cpm) スイングウェイト スイング抵抗値
カムイTP-09 + GR55/S 45.75 300 265 C9 788

中条カムイさんのメーカーHPはコチラ⇒『カムイTP-09D』
※測定数値は、当スタジオの測定基準によるものです。
あまり役に立たないスイングウェイトは、いつも通りほぼ無視です。
必要なのは運動体タイプとスイング力に合ったヘッドの重量です。

ゴルフパフォーマンス スタジオ
THROUGH THE GREEN(スルーザグリーン)
〒731-0201
広島市安佐北区大林3丁目14-22-1F

6/1追記
「ぶち飛んだ!」とご感想をいただきました。
合わせて#3W・#5Wが欲しいとのこと。
元々飛ぶ組み合わせで、ライ角の調整で更にセンターで捉えられていることで、飛距離UPにつながっていると思われます。
また、教科書的な考えを無視した考えですが、ヘッドの重量を軽くし更にワクチンのカウンターバランス効果で、タイプに合った振り応えにしていることも一因です。
更に合うボールもご提案していますので、ゴルフが変わると思います。

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